記事を書かなくなってから 1 年半が経過してしまいました。
実際には、1 年経過後あたりにサーバーを管理していたマシンが停電後に起動しなくなり、そこからの復旧に時間がかかり、ようやく復旧できたという経緯です。
もともと日常的に記事を書く習慣がなく、技術的な内容をまとめる時間もなかったのでまた放置状態になってしまっていた。(ブログと雑記を分けた意味がない...w)
技術的な内容をまとめてまたブログに記事を書きたいと思っているが、復旧を急いでいたので細かな作業は記録をとっていなくて、断片的にしか書けないかも...
文章で書くと煩雑になるので、これまでの経緯を時系列で箇条書きにしてメモしておく。
- サーバーが設置してある自宅が停電
- 停電から復旧後、サーバーが物理的に壊れる(起動しなくなった)
- 仕方ないのでサーバー用にマシンを新調
- しかしハイパーバイザーがインストールエラーになる(原因は Intel CPU の Big-Little コア構成に ESXi 8.0 が対応していないこと)
- Big-Little 構成を無視するオプションを有効にしてハイパーバイザーのインストールを試みるが失敗(CSM あたりが影響してインストール先を選べず、どこにインストールされているのかわからない...メモリ上に展開されているようにも感じられた)
- 知り合いからメディアサーバーの構築(公開)依頼があり、それを急ぐために ESXi での構築を断念
- ESXi 以外のハイパーバイザー候補を探したところ、Debian ベースの Proxmox VE というアプリケーションがよさげ
- 新調したマシンで試したところ、Proxmox VE をインストールできた
- Proxmox VE 関連の文献をあさりまくる
- Proxmox VE でビデオカードを(主に Windows で)使うために試行錯誤
- Proxmox VE の VM 上でビデオカードの認識までできたものの、パフォーマンスにあまり向上はみられない
- VM 上でビデオカードが認識できなくなるケースが発生し、実用を断念
- とりあえず Proxmox VE でサーバーを立て、稼働することには成功
- Proxmox VE を新たなハイパーバイザーとして採用し、サーバー環境を構築し直す
- Proxmox VE でメディアサーバーを構築し、公開
- ESXi の VM をサルベージするために別のマシンを使って当時使っていた ESXi 6.7 をインストール(別マシンは古く、現行最新の ESXi 8.0 がインストールできないうえ、現行ではパフォーマンス的にもよいとは言えないため、常時運用には採用しなかった)
- 別マシンで起動させた ESXi に VM がある HDD をつないでデータを取得
- ESXi 上で VM を起動させ、サイトデータも取得
- サイトデータを Proxmox VE の VM にインポートし、最新化(http -> https など)して公開
こんな感じです。
特に時間がかかったのは、やはり Proxmox VE の知識を得るまでの時間と、得たあとに実際にサーバー環境の構築を Proxmox VE 上でおこなうまでの時間です。
この 2 つだけでざっと 3 ヶ月はかかっていると思います。仕事以外のすべての時間を使っていたので、本当に疲れたし、ここまでたどり着けてようやくほっとしました。
ESXi と Proxmox VE を比較すると、コントロールパネルの UI については似たような印象で、わりとすんなり使えました。
ただ、ESXi に比べて、Proxmox VE ではコントロールパネルでできることが少ない印象です。
また、ESXi はハードウェアを選ぶ(今回もそれで失敗した)ものの、パフォーマンス的には Proxmox VE よりも優秀だと感じました。
ほかにも、ESXi は様々なノウハウがネット上に(しかも日本語で)転がっているのに対し、Proxmox VE は多くなく、細かい内容になるとほとんどは英語主体です。
なので正直まだ ESXi に後ろ髪を引かれている部分がありますw...が、Proxmox VE にもよいところはあります。
Debian ベースの OSS なので、Debian が動く環境なら Proxmox VE も動くということです。(なので Big-Little な Intel CPU でも動くと判断しました)
あと、ESXi はファイルシステムのフォーマットが独自で、VM データをサルベージできない、というか、サルベージするには ESXi 上もしくは WMWare のツールを使う必要があります。
Proxmox VE は Linux で使われているファイルシステムのフォーマットと同じ(大概は EXT4 もしくは XFS)なので、理論上はほかの OS からでも VM データのサルベージが可能です。
ただ、大抵は LVM もしくは LVM-Thin を使うことになるので、単純に HDD をつなげて認識可能になるわけではなく、お手軽にサルベージできるかは疑問が残る。(試したこともないし)
もしハイパーバイザーを使おうと思っている人がいるならこんな感じで選ぶとよいと思う。
- ESXi: Intel CPU なら XEON(AMD は今のところ Big-Little な CPU は出していないのでだいたい OK)を使う人、パフォーマンスを気にする人、Web UI でだいたいの管理を済ませたい人
- Proxmox VE: Linux に詳しい(または詳しくなりたい)人、OSS が好きな人、VMware 製品の行く末が不安な人w
余談ですが、VMware は 2023/11 に Broadcom に買収され、EUC 部門は謎の企業「KKR」に売却されました。(ESXi は EUC 部門の製品群には含まれていない)
そして、Broadcom は買収直前には「パートナー契約は何も変わらない」と明言していたにも関わらず、買収後には各パートナーに契約更改を通告している。
まず間違いなく Broadcom の思惑通りなのだろうが、現場は大混乱必至である。
今後も Broadcom による横暴は続くと思われるため、もしかしたら ESXi にも何らかの影響(フリーライセンスのさらなる制約や、完全有料化の可能性も...?)があるかもしれない。
Broadcom の動向まで考慮に入れて Proxmox VE を採用したわけではなかったのだが、今後数年、あるいはそれ以上に渡って使うことになるハイパーバイザーをこのタイミングで Proxmox VE に変更した選択は、結果的にはよかったのかもしれない。
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