Ryzen 6000U を搭載したエントリー向けノート PC は発売されない?(→発売されてました)

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Ryzen 6000 シリーズが CES2022 で発表され、6 月にはこのシリーズが搭載されたノート PC が発売されました。
6000 シリーズは GPU が RDNA2 になり、Zen3+ アーキテクチャとしてモバイル向けにリリースされた CPU です。

6000 シリーズの中には、高性能ノート向けの「H / HX」、高性能モバイルノート向けの「HS」、超薄型ノート向けの「U」があります。

H は主にゲーマー向けの高性能 CPU で、基本的にゲーミングノート PC に多く採用され、その価格も 20 - 30 万円台とかなり高めです。
Zen3 の 5500U が採用されたノート PC はエントリー向けで、安いものだと 7 万円前後で手に入れることが可能です。
なので、その後継にあたる 6000U のノート PC であれば、同等もしくはプラスアルファの価格で入手可能と踏み、ずっと待ち続けていました。

しかし待てど暮らせど 6000U を搭載したノートは発売されず、それどころか AMD からは Ryzen 7000 シリーズの足音が聞こえており...
もう 6000U は各社スキップして、少なくとも日本での発売はしないのだろうかと思い、この記事を書いているときにたまたま検索したところ、日本でも販売されているという情報が!
どうやら、Lenovo の Thinkbook / Yoga の一部と、ASUS の Zenbook S の一部で販売されているようです。
ただ、価格は最安でも 120,000 円程度で、最高値だと 300,000 円近くし、到底 5500U と同程度とは言えない。
こんな高額であれば、いっそのこともう半年待って 7000 シリーズを待った方がよい気がする。

Zen3+ の最大のセールスポイントは RDNA2 なので、純粋に CPU の処理能力で比較すると前世代の 5000 シリーズ(Zen3)と変わらない。
まあ Zen4 の Ryzen 7000 シリーズも、また価格が上がる可能性は否めない(というかきっと上がる...w)が、どうせなら新しい方がよいw
それに、かれこれ 1 年以上ノート PC の購入を待っているので、もう半年待つぐらいなんてことはない。(本当はデスクトップ PC も新調したいのだが、予算的に同じタイミングは厳しい...)
価格的には、デスクトップ用の 7000 シリーズは、ノート PC に比べると初値が高いはずなので、順番的に言えばノート PC を先に購入するのがよさそうだ。

AMD の CPU は最初にデスクトップ PC を自作したとき以来で、それ以降はずっと Intel なので、わくわく半分、心配半分だ。
AMD の CPU はメモリとの相性問題がよく聞かれ、Windows でも Ryzen のみに発生するバグもあったりする。(バグは現在修正済み)
それに、ベンチマークでは Intel に勝利していても、実際の利用(ブラウザ上の処理や、オフィスソフトの動作など)では Intel が有利というのが定説になっている。
つまり、Ryzen は未だにゲームやエンコード向けの CPU という印象があるが、7000 シリーズでその辺の差をどこまで詰められるか、方々のレビューを見ながら判断しようと思う。

また、Intel は今秋にも最大 20% 程度のチップの値上げを予定している。
AMD は値上げの話を聞かないが、ノート PC の価格を見る限り、6000 シリーズの時点で少しずつ値上げしているのかもしれない...
今秋は AMD の Ryzen 7000 シリーズだけでなく、Intel も第 13 世代 Core i シリーズをリリース予定で、これらの新世代 CPU の正面対決となる。
Intel は第 12 世代で構成を big.LITTLE(big が小文字で LITTLE が大文字なのが面白い)で性能を大幅に上げている関係で、第 13 世代では性能向上は小幅にとどまる様子。
AMD は大幅な性能向上を見込んでいるので、各 CPU のレビューが楽しみだ。
(ちなみに AMD も将来的に big.LITTLE 構成を見据えており、Zen5 もしくは Zen4D あたりで投入してくる可能性がある。さすがにあと 1 年待つのはつらいが、予算的に後回しにするデスクトップ PC は、タイミング次第では視野に入れようかな...)

新型コロナやロシアのウクライナ侵攻、仮想通貨のマイニングブームなどで PC 関連の製品の価格が高騰しているが、マイニングブームはすでに下火になっており、新型コロナも来年あるいは再来年にはメディアで騒がれることはなくなっているだろう。
高騰した価格も徐々に適正な価格に下がってくると思われるが、完全に落ち着くのはまだだいぶ先のことになるだろう。
つまり、あらゆる物価が高騰している状態の中で、少なくとも 1 度は PC やスマートフォンなどの精密機械類の買い換えが発生する可能性が高い。
であれば、その分は腹を括って購入し、価格が落ち着いた次の買い換えの時に、その安さをかみしめつつ、過去の散財を笑い話にできることを願おう。